2020年3月7日土曜日

幸せの裏側

ある時、急に、ぶん殴られる。急に、乱暴に腕を掴まれて、時空や次元を超えて、「本当の自分」とやらに、暴力的に向き合わされる。「本当の自分」は、暗い穴の底でうずくまって、横たわって、涙を流したり声をあげたりすることもなく、ただ無感情で死んだふりをしている。生きていても仕方がないから。待っていても誰も助けてくれないから。死んだところで救われないから。外に出たところで何もないから。どうしようもできないから。どうにもならないから。どうにも、ならないから、知らないふりを、する。薄汚れた身なりで何も構わず、死んだふりをして背を向けて横になってる。時間の概念はない。今も昔も将来もこの先も、私にはない。「あの時」に連れ戻される。「あの時」から身動きの取れない小さい汚い子供の自分が、死んだふりして、私を待ってる。私が来るのを待ってる。

2008年の写真を発掘した