2012年11月26日月曜日

11月25日 暮れ行く連休の終わり

 新宿に行って諸々の用事を済ます。新宿は広くて何でもあって便利だ。「広くて何でもあって便利」ということが実現されるためには、広い売り場面積を確保する必要がある。ということは、一つの店から別な店へ移動する距離は、売り場面積に比例して大きくなるということだ、とサザンテラスを歩きながら漠然と思う。そんなことは、当たり前だ。当たり前だけれども、今日気が付いた。

 電車のなかで、どういう順番で移動するか予定を立てた。まず南口、それから新南口、それから西武新宿に行くか、もしくは東口に行って、でも最後は南口に戻ってきて、そのとき、どの道を通るのが近いのか。頭の中に新宿の大まかな地図を描こうと思ったが、漠然として曖昧模糊で、判然としない。新宿の地理がよく分からない。結局、一時間強ですべての用事を済ますことを諦め、どうしても今日終わらせなければいけないことの順番に用事に番号を振り、そのメモを見ながら行動した。頭がどんどん馬鹿になっているのか、考える能力が落ちているのか、分からないが、あらかじめ予定を立てないと、街中で立ち止まってしまうようになった。そうなると、うーん、どうしよう、と考えるふりはするのだが、まったく答えが出せなくなる。判断力と決断力が極端に落ちて、そのうちに目眩とのどの渇きを覚えて、といってお店に入って店員に注文をするだけの体力もなく、どうしよう、休むべきか、帰るべきか、それとも次の用事を済ませるべきか、どうしよう、ということから先に考えが進まなくなって、それに疲れて死にたくなってきてしまうので、もう行動に順序をつけておいて、その通りに実行するようにしている。すると、あんまりくたびれない内に帰ることができる。

 閉館間際の図書館に行き予約していた本と、読みかけのまま貸し出し期限がきて返してしまった本を借りる。途中までしか読めなかった萬月の「裂」を、もう一度借りる。久しぶりに、萬月の本の中で、心から良いなと思ったから、もう一度読みたかった。図書館で借りる本は、いつか返さなければいけないという期限つきの緊張感があるので、それは自分で手に入れた本と違うたのしみがある。





 出掛けたら写真を撮ろうと決めた。どこに行って何をしたか、生活の記録を写そうと思った。思ったそばから、さっそく忘れて手ぶらで帰りそうになって、慌てて暮れていく日曜日の夕方を撮った。